約 511,348 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1805.html
真新しい衣服を身に纏い、俺は空を仰ぎ見る。 雲ひとつない快晴。吐いた息が白く染まる刺す様な寒さの中、 降り注ぐ陽光が肌に心地よい。 年が明けて数日後の駅前である。 新しい年に胸を弾ませる人の群れが、俺の傍を横切っては それぞれの目的地へ向かって歩いていく。 時計を見れば、針は九時半を示していた。 「お、おまたせっ」 顔を上げると、照れくさそうな微笑みを浮かべている・・・・・・ 俺の彼女がそこにいた。 俺の愛しい恋人である彼女の名前は、高坂桐乃。 ライトブラウンの髪の毛、両耳には一昨年のクリスマスに渡したピアス、 長くしなやかな足、すらりと均整の取れた身体を大人っぽい冬の装いで包み、 幼さを残した顔にはしかし、肉親さえをも魅了してしまうほどの色気があった。 「別に待ってねぇよ―――行くか」 「うん」 嬉しそうに頷いて、桐乃は腕を絡めてくる。 カップル(今更だが照れくさい響きだ)なら当たり前の行為が、それだけで、 俺の胸を高鳴らせて体温を上昇させる。 「デート・・・楽しみだね」 「そうだな」 子どもっぽい笑みを交わし、俺たちは並んで歩き始める。 「最初は映画だな」 「何観るか決めてるわけ?」 「おう、ちゃんとおまえの好きそうなやつはリサーチ済みだよ」 「へー、やるじゃん」 しばらくして、映画館に到着。 「で、どれ観るの?」 俺は壁に貼られているポスターの一つを指差す。 タイトルは、 『妹めいかぁEX・お兄ちゃん大好き?』。 聞いて驚け、何とエロゲーを原作にした全年齢劇場版アニメだ。 それを新年早々に放映するのだから、世も末だぜ。 「アニメかぁ・・・」 「おまえ、こういうの好きだろ?」 「超好きだけど・・・ん~~~」 何故かテンションが低い桐乃は、意外にも難色を示す。 「デートじゃ観ないでしょ、普通・・・」 兄妹で付き合っている時点で、普通もクソもないと思うが。それにだ。 「俺たちのデートなんだから、俺たちらしくていいじゃないか」 桐乃が赤面して、目を見張る。 「た、たまにはいいこと言うじゃん。でもさ・・・」 「あん?」 桐乃はやや伏し目がちに、 「あんたは・・・あんまりアニメ興味ないじゃん。 あたしはあんたにもちゃんと楽しんでほしいの。 デート・・・なんだからさ」 お、おい、聞いたか!? あの傍若無人の桐乃様のお言葉とは思えねぇぜ! 俺の妹がこんなに―――と、いかんいかん。 桐乃と付き合うことになってから俺は、この言葉は封印すると決めたのだ。 俺の彼女がこんなに可愛い、が正しいのである。 「だからだよ。俺はおまえが楽しんでる顔が見れれば楽しいんだから」 「んなっ・・・!」 真っ赤なまま固まる桐乃に、してやったりと思いきや、 「ばかじゃん!」 「ってぇ!」 照れ隠しのビンタが飛んできました。 「あ、アンタが変なこと言うからだかんね!」 前言撤回。今日も理不尽な桐乃節は好調だ。 おーいて。 「でも、おまえがこのアニメをまだ見てなくてよかったよ」 桐乃のことだから、公開初日に見終わってる可能性もあったんだよな。 もしそうだったら目も当てられないところだった。 いや、桐乃なら二度目でも十分楽しめるかもしれないが。 桐乃は顔を背けて言う。 「あたりまえじゃん。さっきはあんなこと言ったけど・・・ 本当は、京介と一緒に観たかったから」 「んなっ・・・!」 ・・・完全にやり返される俺だった。 「っあ~~~~~~~~~~~~~~~~面白かった!大ッッ満足!」 映画館を出た瞬間はしゃぐ桐乃。 「なかなか面白かったな」 正直内容は全く期待してなかったのだが、いい意味で裏切られたぜ。 「ひひ、あんたもちょっとはわかるようになったじゃん」 「まーな」 誰かさんに散々エロゲーをやらされてたり、黒猫の同人活動を ちょっと手伝った影響で、今の俺はサブカルチャーは嫌いじゃない。 ど素人なのは変わらないが、少しは興味を持っているのだ。 「やっぱヒロインのつかさちゃんがちょ~可愛かったよね! 一途にお兄ちゃんを思い続ける妹っていいなぁ~~~~~」 放っておくと延々としゃべり続けそうだな。 「まぁ落ち着けって。こんな人の往来で喋ってたら目立っちまうぞ。 メシ食いに移動して、そこでだべろうぜ」 「お、おっけ」 周囲の視線にようやく気づいた桐乃が恥ずかしそうに頷いた。 俺たちがやってきたのは落ち着いた佇まいのケーキショップだ。 店員さんに誘導してもらい、窓際の席に向かい合って座る。 テーブルの面積が小さいので、お互いの距離はかなり近い。 「さて、なに頼む?」 メニューを広げた桐乃は、耳まで顔を赤く染め、 無言で中央に掲載されたカップル用のパフェを指差す。 「こ、これか・・・!」 戦慄のあまり声がかすれてしまったぜ。 覚悟はしていたが、実際に提案されるとすげー恥ずかしいな。 「あ・・・やっぱり、嫌・・・?」 泣きそうな表情の桐乃。そんな顔されたら断れるわけねーじゃねぇか。 「へっ・・・桐乃、俺を侮るなよ?」 「・・・え」 実の妹と付き合ってる俺に、怖いものなんかねぇ! 一瞬だけスーパー京介になった俺は呼び鈴を鳴らして、 注文を聞きにきた店員さんにカップルパフェを注文した! 「きょ、京介・・・」 おい、そんな蕩けるような甘い声を出して俺を見るんじゃない。 急に猛烈な恥ずかしさが込み上げてきたぞ。 テーブルに置かれたパフェは、それはもう巨大という言葉がぴったりの まるで山のような様相だった。 チョコレートやアイス、デザートでふんだんに盛り付けられたお皿と、 燦然と輝く銀色の二本のスプーンは見ているだけで 胸が甘ったるくなってくる。 こ、これを今から桐乃と食うのか・・・! もしかしたら俺は、自ら後戻りのできない道に突撃しちまったのだろうか。 桐乃がスプーンでパフェをすくい・・・ 「は、はい京介・・・」 お、おまえ俺を殺す気か!? 「は、早く・・・」 「わ、わかったよっ!」 覚悟を決めて開けた俺の口に桐乃がスプーンを押し込んでくる。 口内にチョコの味が広がるが、もちろんそれどころじゃない。 「次は・・・京介がやって」 桐乃がこんなことを仰りやがったからだ。 「すげー照れくさいんだが・・・」 「い、いいから早くやってよね。時間かけたらもっと恥ずいじゃん」 腹をくくるしかないようだ。 「行くぞ・・・」 ゆっくりとスプーンを桐乃の口腔内に入れる。 可愛らしく咥えた桐乃はパフェを笑顔で咀嚼して飲み込んだ。 「へへ・・・美味しい」 あ~顔が火照りそうだ。 再び桐乃のターン。 「は、はい」 そこで桐乃の手が滑ったのか、俺の頬にパフェが付いてしまった。 「あ、ごめん」 「いいってこれくらい」 紙ナプキンでふき取ろうとすると、桐乃に制止された。 「ま、待って」 「あん?」 立ち上がった桐乃が俺に顔を近づけ・・・ ちゅ。 「!?」 頬のパフェを、桐乃がついばんで舐め取ったのだ。 「き、綺麗になったよ・・・」 悶絶してしまいそうである。 そうやって、俺と桐乃の食べさせあいは最後の一口まで続くのだった。 後で思い返したら、羞恥のあまり死にたくなりそうだな。 『きーみとまたーもーのがぁたーりが・・・』 桐乃の携帯が鳴った。 「ごめん、仕事の電話。ちょっと席外すから」 「わかった。その間に会計済ませて外で待っとくよ」 「デートは割りカンって約束でしょ」 「たまには彼氏にかっこつけさせろよ」 「・・・ぷっ、ば~か」 言葉とは裏腹にかわゆく笑んで、席を離れてゆく。 さて、俺もさっさと料金を支払うとするか。 こんなこっぱずかしい所に男一人でいられるかってんだ。 寒さに身体を震わせながら五分ほど待っていると、 「待たせてゴメン」 「何かあったのか?」 「明日の撮影の予定が一時間遅れるってだけ。さ、デートの続きしよ」 「お、おう」 桐乃は恋人繋ぎの手を振りながら上機嫌にはにかんだ。 最後に到着したのはゲームセンターだ。 「メルルの人形見っけ!」 クレーンゲームの台に駆け寄る桐乃。 「京介、これ取ってよ!」 彼女のお願いなら、彼氏として応えてやんなくちゃならんだろう。 「うし、俺に任せろ」 こんなこともあろうかと、以前黒猫にコツを聞いていたのさ。 付け焼刃なため、さすがに一発では無理だったが、三度目で見事ゲットだぜ。 「いひひ・・・かわいいなぁ!ありがとね、京介」 「おうよ」 こんな笑顔が見られるなら、お安い御用だ。 「ほら、持ってて」 あ、やっぱり。 く~、これが入る大きな袋なんて持ってないから、 むき出しのまま持ち歩くしかないようだ。 ・・・ったく、しょうがねーな。 その後はシスカリで何度か対戦し、デートの締めくくりはプリクラだ。 カップル専用台の中に入り、お金を投入し、当然の如く ハートのフレームを選択する桐乃。 画面に二人の名前と、桐乃から俺へ線を引っ張って、 だいすき と書き込んでいやがる・・・・! 「ちょ、おま・・・」 「何よ、悪いっての?」 「いや、悪かねーけど・・・」 「ほら、あんたも書いてよね」 ペンを桐乃が強引に渡してくる。 こうなりゃやけだ。 俺も桐乃の真似をして、俺から桐乃へと線を引いて だいすき と書いた。 「・・・嬉しすぎて死にそうなんだけど・・・!」 奇遇だな。桐乃。俺も気を抜くと卒倒してしまいそうである。 「・・・そうだ、いいこと思いついた」 桐乃はとろけきった表情で画面をを操作して、 「撮るよ・・・」 そこで不意に桐乃が動き――― ちゅっ。 ぱしゃっ。 「・・・・・・」 「えへへ・・・これでせなちーたちに勝ったでしょ?」 二度目のキス。 場所は・・・俺と桐乃だけの秘密にさせてくれ。 こんなプリクラ、絶対に誰にも見せられねぇぜ。 夕陽が恋人同士を照らして長い影法師を作っている。 家が近いため手は繋いでないが、並んで歩くくらいは許容範囲だろ。 いや、あんだけラブラブしてりゃ、知ったやつの目もあったかもしれないけどさ。 まぁ、その時のことはその時に考えるよ。 もっと大事なことがある。 「今日のデート・・・楽しかったか?」 もう言ってしまってもいいだろう。 とっくに気づかれているかもしれないが、、 このデートは、あの夏の偽装デートのやり直しだ。 グダグダになって、ケンカ別れのような形で終わってしまった あのデート。 考えてみれば、あれが俺たちの初デートなんだよな。 本気だった桐乃と違い、俺は嫌々の偽装デートで、真剣じゃなかった。 桐乃にとって、いい思い出とはとても言えないだろう。 俺にとっても、だ。 だからこそ、今日がそのやり直しなわけだが。 「まぁまぁね。60点くらい?」 「低いな!?」 あんなに楽しんでたじゃねーか、と突っ込もうとして止めた。 隣の桐乃が、モデルにあるまじき表情をしていたからだ。 「だから、次はもっと楽しませなさいよ」 「へいへい」 素直じゃない妹様に頷いてみせる。 約束してやるよ。 この関係が終わる日が来ても、ずっと傍にいるってな。 見えてきた我が家。 玄関のドアに手をかけて、ゆっくり引いていく。 「「ただいま」」 茜色の冬空に、恋人同士の声がした。 ----
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/622.html
343 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/27(水) 23 11 10.96 ID YwwcRNMR0 [3/3] SS『変態対決』 「お兄さん、お話があります」 その日、下校途中にあやせに呼び止められた俺は、 また相談があるのかと、内心楽しみにしながら家に戻ったんだが……… 「それで、どうしたんだよ、あやせ」 「お兄さんが桐乃の事を愛している事は、わたしも良く分かっています。」 「ま、待て!一体何を!?」 開口一番、あやせから飛び出した言葉は、 俺の想定のはるか斜め上を飛び越えて襲い掛かってきた。 「だから、お兄さんが、桐乃にエッチな事をしたい」 「ちげーよ!だいたい、何を根拠にしてんだよ!?」 なんて事言いやがるこのアマ!? 「そんなの、お兄さんのいやらしい視線を見てれば誰でもわかりますっ!」 「お、俺、いやらしくないぜ?」 「嘘ですっ!桐乃の顔だけじゃなくて、胸もお尻も、穴のあく位に見てるくせにっ!」 「そ、そんなことしてねー!」 見てねーよ!あいつがはしたない格好でうろついてるから、 見えちまってるだけだっての! 「桐乃の、Fカップ88cmの胸だって、ホントいやらしい目で………」 「ちげーよっ!そもそも桐乃は82-54-81のDカップだっての!」 「………やっぱり、スリーサイズだってちゃんと知ってるんですね………」 ………はっ!?ハメられたっ!? つか、あやせたんもなんで知ってんの? 「お兄さん、これでもまだ、言い逃れを続ける気ですか………?」 あやせは、じりじりと俺に近づいてくる。 つか、その後ろに回した手に持っているのは何ですか!? 「わかった認めるさ、そーだよ俺は桐乃の事が大好きだ、愛してると言ってもいい!」 「こっ、このっ………変態っ!」 これまで、何度、あやせたんに変態呼ばわりされてきただろう? だがっ! 「変態か、その言葉、今の俺にはそよ風に過ぎないぜ」 「くっ、くぅっ………」 「だいたい、俺が誰を好きであろうと、お前には関係ないだろ?」 「関係ありますっ!わ、わたしも桐乃の事愛してますからっ!」 な、何だって? あやせたんが?桐乃を?アイシテル? 「お、おまえっ、そ、それって」 「わ、わたしはお兄さんのような変態とは違いますからっ! 純粋に、桐乃の事を愛してるだけですっ!」 そういう問題じゃねー気がするんだが? いや、よく考えりゃ俺も『普通の』恋愛じゃねーしな。 「それに、わたしの方が桐乃の事愛してます!」 「んなわけねーだろっ!俺の方が桐乃を愛してるに決まってんじゃねーか! 違うってんなら、具体例の一つでも出してみやがれっ!」 あ、あれ?俺、何言ってんだ? 相手は中学生の女の子だぜ………? 「ぐ、具体例ですね……… わたし、桐乃の事、いつだって見守ってますっ、 学校の中なら、トイレの中だって、シャワー室の中だって!」 あやせたん、普通はそういうの、ストーカーって言うんだぜ? 「お、俺だって、桐乃の寝息を確認するまではぜってー起きてるしな! それに、あいつが病気になったりしたら看病もするしな! おまえにはできねーだろっ!」 なんで俺、あやせたんに突っかかってしまうんだよ!? 「そ、それじゃあ、わたしだって、桐乃と一緒に勉強することも多いですし、 桐乃によく抱きついたりしてます!」 「何ぃっ!?………お、俺なんか、桐乃のおっぱい揉んだことあるもんな!」 事故だけどね! 「き、桐乃の下着なんて、お兄さんは見たことないですよね!」 「ふっ!俺のベッド下のコレクションを舐めるなよっ!」 「しっ、死ねっ!この変態っ!」 「どうした、おまえの愛はその程度かよ」 フッ………勝ったな 「わ、わたしなんか、桐乃とお揃いのブラつけてますからっ!」 「むぐっ………俺なんて、桐乃のパンツ、毎日嗅いでんだぞ!」 「わたしだって、桐乃の部活後の汗の匂い、殆ど毎日かいでますっ!」 「俺は桐乃の裸を見るような関係だぜっ!」 「わ、わたしだって、毎日お風呂の時間に桐乃の裸を見ていますっ!」 「ラブホテルにだって行ったぜ!」 「桐乃と二人だけで旅行にいきましたっ!」 「………………………」 「………………………」 な、なんつー強敵だ! まさか、あやせたんまでこんな変態だったとはっ……… 「お、おまえもなかなかやるじゃねーか」 「お、お兄さんも、わたしが考えていた以上の変態でした」 お互い、武器を使い果たしてしまったみてーだな。 「今日のところは」 「この辺にしておいてあげます」 このタイミング、ばっちしじゃねーかよ? そうか、俺は初めてわかったぜ これが、『強敵』と書いて『とも』と呼ぶ間柄なんだな! 結局、その日、あやせはずいぶんと悔しそうな表情をしながらも 桐乃と話すことも無く帰っていったのだが……… というか、何故か、今、桐乃が俺の部屋にいるわけで……… 「兄貴………さっきまであやせと喋っていたようなこと、全部本気?」 「え、えーと、全部聞いてた………のか?」 「う、うん。兄貴があたしのぱんつを盗っていってる事とか、 そのぱんつを毎日くんかくんかしてることとか………」 う、うぉぉぉぉぉぉ!?し、死にてぇぇぇぇぇーーー 「それに、あたしのこと、あ、愛してるってとことか………」 そ、そうだよな、もう、いい加減覚悟を決めようか! 「ああ、本当だ。愛してるよ、桐乃。」 End. -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/651.html
840 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/01(日) 15 54 57.47 ID wC6Hqizj0 [3/3] 実はあやせたんは桐乃を守るために未来から送り込まれた義体。 開発者は大介パパ。桐乃と外見が似ていたのはそのため。 842 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/01(日) 17 16 13.56 ID 3syvrJ2TO [5/5] 840を読んだ俺はこんな白昼夢を見た ※※※ 近未来。近親恋愛創作物弾圧を起こした巨大政党イシハラネットが指揮するモラル浄化運動により 絶滅の危機を迎えていた近親愛思想だが、抵抗組織指導者である高坂桐介の指揮下、反撃に転じる。 脅威を感じたイシハラネットは、未来から現代へ人工義体『新垣あやせ』を送りこんだ。 目的は高坂桐介を歴史から抹殺するため、彼の母親となる高坂桐乃に近親愛思想を持たせないこと、 並びに男を近づけさせないことである。 桐乃が近親愛思想に触れそうな場所が、同人誌即売会であることを突き止めたあやせは、 コミックマーケットに参加していた桐乃を強襲。エロ同人趣味を完全否定して絶交を宣言することで桐乃と近親愛思想を遮断する作戦に出る。 しかしあやせが予想できなかった事態が起こる。桐乃の兄である京介が、桐乃とあやせを仲直りさせるために、こともあろうに近親相姦を題材にした文学作品を持ち出してあやせに対抗。 さらには京介が桐乃のエロ同人趣味が邪なものでないと主張するために 自分が妹を大好きだと叫ぶにいたった。 あやせは高坂兄妹の関係を危惧し、ひとまず桐乃を守りぬくことを宣言してこの場を収めるのであった。 京介の行動の真意をはかりかねる桐乃であったが、京介の行動や想いに触れるうちに次第に心を開くようになる。 そして2人は、時が経つうちにお互いに兄妹愛を超えた感情を抱くようになり… あやせはそれからも、京介の幼なじみ、麻奈実に京介が振り向くように画策したり あやせ本人が京介を引き付けるべく行動をおこしたりするのだが 一方でその間に京介は、桐乃のオタク友達であり高校の後輩でもある黒猫こと瑠璃と急接近するようになり…… ※※※ 「審判の日」は迫る。京介と桐乃、また京介と黒猫の関係はどうなるか? そして、あやせはこの事態の中、どう動くのか?? 8巻発売を心して待たれよ!!! -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1513.html
307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/05(木) 12 32 20.84 ID PodgwiEP0 305 京介「俺の昨日のパンツがない……今日洗濯してたから乾いてるはずなんだけどな。 また風に飛ばされちまったのか? でも、今日は室内で干してたしな…… ん?まてよ? 確かあの時にはあったよな」 ・・・・・・ 桐乃「~♪~♪~♪」 佳乃「桐乃は偉いわよねぇ。 昔から忙しくても洗濯物たたむのを手伝ってくれるんだから。 それに比べて京介は……」 京介「へいへい。 それじゃあせめて自分で部屋にもって行くよ」 桐乃「あ! 京介のは今たたんでる途中だから今もって行っても二度手間だよ。 後で持って行ってあげるから触んないで。 あんたが畳もうとしたり触ったりすると形崩れちゃうから」 京介「ぐぬぬ…… それじゃあ後で持ってきてくれよな」 桐乃「ん。 京介はあたしの部屋であやせ(キラーマシン)のレベルでも上げといて」 ・・・・・・ 京介「あの時には確かに桐乃が俺のパンツを畳んでいた。 んで、洗濯物を片付け終わった桐乃と遊んだ後に部屋に戻ると洗濯物が置いてあった。 しかし、洗濯物を確認すると、俺のパンツが一枚なくなっていた…… 桐乃が洗濯物を届けてから、俺が部屋に来るまでに誰かが盗んだのか? でも、窓には鍵がかかっているし、俺は隣の桐乃の部屋にいたから俺の部屋の扉が開いたら気がついたはず…… 現に桐乃が俺の部屋に入った時にはすぐに分かった。 それじゃあ犯人は一体どうやって俺のパンツを盗んだんだ!」 ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1002.html
204 名前:【SS】ハンサムの日[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 09 28 51.33 ID J72IJP9rO 浩平「最近、毎日の記念日をお祝いするのが流行ってるそうだぞ」 開口一番、目の前の友人が理解不能な日本語で話しかけてきた。 京介「意味が分かんねぇよ。まずは言葉を正せ、赤城。話はそれからだ」 高坂「相変わらず俺に冷たいな高坂。いいか、つまりは……」 赤城の話を要約すると、ここ最近若い子達の間では、暦上で制定されているあまり有名ではない記念日を一日一日調べて、「今日は ○○の日だから△△~」と、面白おかしく話すのが、ちょっとしたブームになっているという。 京介「何だよそれ?別に楽しいとも思えなんだが……」 赤城「身も蓋もない言葉だな、おい」 みんなの流行りを全否定してしまうが、それが俺の素直な感想だった。 だって、そうだろ?記念日とかって、一年に一度しかないからめでたいのであって、毎日がお祝いになってしまったら記念日が持つ 『ありがたみ』というものが薄れてしまう。 確かに考えようによっては、嬉しい事が毎日続けば、最高にハッピー!というポジティブ思考も良いとは思うが、俺みたいな人間か らすると価値観が違う。 ひねくれ者と笑わば笑え。価値観は人それぞれだろうよ。 赤城「あっ、ちなみにこの前の8月2日はパンツの日だったんだぞ」 高坂「別に記念日じゃねぇだろ、それ!!」 どうやら「記念日」という表現に語弊があったらしい。間違ってはいないのかもしれないが、俺の記念日の認識とは少し違っていた 。 要は、今日は何の日?という話題で盛り上がるだけじゃないか。少し真面目に考えかけていた自分が恥ずかしいぜ……。 赤城「当日、俺は瀬菜ちゃんにパンツをくれと懇願したんだが、『イナ○レの全カプを高坂先輩と二人で再現しきれたら、考えてあ げる』と言われたんだ」 京介「俺、もうそろそろお前ら兄妹との縁を切るべきかもな」 最早どこからツッコんでいいのかも分からないレベルだ。(ツッコむって、そう意味じゃないよ?) 大体、何で俺まで普通に巻き込んでんだよあの巨乳眼鏡はっ!眼鏡ッ娘だからと甘やかして来たが、そろそろ本格的におっぱいを揉 む必要性があるな。 赤城「おい高坂。今何を考えた?言ってみ?」 いつの間にか目の前には、阿修羅のような形相で赤城が迫っていた。 京介「ナニも考えてねーよ。それより、この前のさ……」 俺はそんなエスパーじみたシスコンをかわしつつ、話題を逸らす。相変わらずコイツの妹への嗅覚は異常だな、おい。 それにしても、『記念日』ねぇ。 もし、誰もがそういう日を持っているのなら、俺が桐乃のエロゲ―を拾ったあの日が、俺達兄妹の記念日なのかもな――。 不意にそんな事を考えてしまった俺は、赤城と同じくらいのシスコンにはなっているようだ。 「って、『妹の日』なんてのもあるのかよ!?」 夕方、帰宅した俺は部屋のベッドに寝転びながら、携帯を弄っていた。 特別興味を持ったわけではないが、今日赤城と話していた記念日の話をふと思い出し、ネットで調べて今に至る、というわけだ。 「これじゃ『兄の日』、なんていうのも……」 当然、あるよね!ですよねー。 というか、『兄の日』と『いい兄さんの日』って2つもあるのっ!? 「違いが、あるというのか……?」 少し待って頂きたい。 これは良い兄、悪い兄と2つに差別化されているわけ?兄とは、全員が慕われているもんじゃないの!? そう思い、日本の兄代表みたいにドヤ顔を作ってはみたが、冷静に考えてみると、俺はとんだ思い違いに気付かされた。 「そうだ。まず俺が桐乃に慕われてない……」 自分の立場を完全に無視していたぜ。そうだよな、兄が絶対的に愛されるわけじゃない。二次元じゃあるまいし。 ここ最近は、まぁ俺も桐乃に「嫌われてはいない」くらいの評価を得ている自負はあるものの、妹モノのエロゲ―のような慕われ方 には程遠い。 くそ!何が悲しくて、兄の差別化を実体験で理解せにゃならんのかっ! ……少し目頭が熱くなった。 佳乃「京介ー、ちょっといい~?」 自分の兄としての非力さを悔やんでいると、ドア越しにお袋の声が聞こえてきた。 佳乃「ちょっとカレー粉切らしちゃって。買ってきてくれる?」 京介「おぅ、分かった」 晩飯まではまだあるし、俺もコンビニに行きたかったので二つ返事で了解した。 っていうか、今日もまたカレーなんですね。そうなんですね。 いつもと変わらない我が家の献立に、少しの安心と寂しさを覚えながら、簡単に身支度を整える。 そして一階に降り、リビングへと移動。するとそこには、制服姿のままソファーに座る桐乃がいた。 京介「おぅ、帰ってたんだ。おかえり」 桐乃「んー。ただいまぁ」 桐乃は俺に目も向けずに返す。視線は手に持ったファッション誌に夢中のようである。 京介「俺、これからコンビニ行ってくるけど、何か欲しいのあるか?」 桐乃「メルルの等身大版権イラストポスター」 京介「コンビニに売ってる範囲内でだよっ!!」 桐乃「……ちっ」 桐乃は、一瞬だけ俺に鋭い視線を向け(俗に云うメンチ切り☆)、すぐさま雑誌に戻す。 やっぱ慕われてるってレベルじゃねーぞ、こんちくしょう!見ろよ、圧倒的じゃないかっ! マイナスの意味でなっ! 京介「はぁ……。まぁ、いいや。ちょっと行ってくる」 桐乃「ハー○ンダッツの苺」 京介「はん?」 桐乃「買ってきて」 リビングを出ようとした矢先に、桐乃の声が耳に届いた。 確認とばかりに振り返ってはみるものの、桐乃は「二度も言わない」とばかりに本を黙読し続けている。 なんちゅうお姫様だよ、ったく。可愛さからして似合いすぎだろ。 京介「了解。ハー○ンな」 姫様の指令を受けた騎士(俺)は、そろそろ旅立ち(買い出し)の時だ。シーユー、マイスイートシスターきりりん。 桐乃「あっ。スーパー○ップに格下げしたら、後で正座だかんね」 京介「スーパー○ップさんディスんなよっ!?ウマいぞアレッ!」 出がけにどうしてそう突っ込みを入れさせるのか、この妹様はっ!せっかくテンション上げてコンビニまで行こうとしてたのに。 桐乃「違うって。今の気分では、ってこと。分かるじゃん、フツー」 桐乃がやっとまともに俺に顔を向けた。が、しかし、その表情たるや……。 (えっ?そんなことも分からないの?)みたいな澄んだ瞳で見つめやがって!! 可愛い、可愛いんだけど、超ムカつくの!!何コレっ!? もの凄く複雑な心境である。可愛さと苛立ちが同じ速度で急上昇しているのだ。 例えるなら、……そう!地獄の○サワっていう人の漫画を見た時の感覚に近い。 見た目は断然、桐乃の方が一億倍は可愛いけどなっ!! 桐乃「……ププッ。京介、顔まっかwwwプフフwww」 桐乃は俺の心境を知ってか、口元を手で押さえながら笑いを抑えている。今にも噴き出しそうだ。 桐乃「ねぇどんな気分?今どんな気分??ねぇねぇ」 殴りてぇ~~~~~!!せめて、引っ叩きてぇ~!!! やはりコイツは、兄をイラつかせる才能を持ち合わせているよ。世界レベル、のな! 何が悔しいって、ただイラつくだけじゃなく、楽しそうにおちょくる桐乃を見ていると、なんか俺まで嬉しくなってきてしまうから タチが悪い。まぁ、いいかと思ってしまう。 ホント、反則だと思うよ。この可愛さが。 京介「フンッ!もういい!付き合い切れんっ!」 本心ではそれほど嫌ではなかったが、いつまでも桐乃と戯れているわけにもいかない。さっさとカレー粉を買ってこなければ、今夜 の夕食にありつけない。 妹との団欒も程々に、いい加減リビングから足を出す。すると、ドアの横にかけられたカレンダーが視界を過ぎった。普段なら別に 気にも留めずスルーするが、この時はちょっとした違和感を感じたので、意識がそちらに向けられた。 京介「……何だこれ?」 その違和感の正体は、すぐに分かった。8月の暦の前半、ちょうど今日の日付の所に、 『京介の日』 と、手書きで書かれていたからだ。 京介「俺の日?なんで??」 この文字が何を示しているのか、見当がつかない。 俺の誕生日は全然違うし、今日俺が何かをするわけでもない。 確かに今日は、学校でも部屋でも『記念日』の事を考えてはいたが、8月6日が何を指すかまでは調べてなかった。 京介「……う~む」 桐乃「エッ?ウソッ!!キヅイタ…!?」 俺が思考を巡らせている後ろで、桐乃が小声で何かを言っている。独り言だろうか? 京介「……あれ?待てよ」 桐乃、で思い出したが、この字、桐乃の字だよな?という事は、これを書いたのは、桐乃か? 京介「なぁ、桐乃。この字って」 桐乃「ふえっ!?な、何?アタシの字だけど、アタシじゃないよ!書いたのは、きりりんだからっ!」 京介「――お前は何を言ってるの?」 慌てふためく桐乃。発言が成り立っていない。きりりんって自分だろうが。 先程とはうって変わって、今度は桐乃が顔を真っ赤に染めている。(←超かわいい) 桐乃「ア、アタシが書いたように見せかけて、実は……アタシが書いたのよっ!」 京介「じゃあ、お前じゃん」 桐乃「えっ。……ハッ!!」 俺さ、前から思ってたんだけど、ウチの妹って実は結構おバカなんじゃないのかなぁ。過去の例から見ても、桐乃は抜けている所が ある。 中でも動揺した時の墓穴の掘り方は、見事なまでの腕前だ。 それも良さ、とも言えるが、兄としては少し不安にもなるぞ。大丈夫か、これで……。 まったく。これじゃ今しばらくは、桐乃から目が離せないな。 京介「よし。まずは落ち着け、桐乃。お前が何に慌てているのか分からないが――」 桐乃「ふぇ?」 京介「それ以前に、俺は何も気付いていないぞ」 桐乃「……は?」 桐乃を落ち着かせるため、俺はそう言ってやった。すると桐乃は、ぽかんと口を開けて呆けてしまう。 京介「いいか。まず、このカレンダーに『京介の日』と書き込んだのは、桐乃だろ?」 桐乃「……うん」 京介「OK、それなら次の疑問だが、この『京介の日』について、だ。どう考えても、今日の日付と俺とが、何一つ連想できんっ! 」 カレンダーを指さし、必死に今日という日を頭に巡らしてはみるが、やはり自分と結びつく答えが出てこない。 なぞなぞは得意じゃないからな。そういった方面なら、自力で当てるのは結構厳しいぞ。 桐乃「……」 桐乃はというと、さっきまでの動揺も落ち着いたのか、俺をジッと見つめている。 本当に表情豊かなヤツだ。 ……今向けられている視線がジト目なのが、少し気になるけどね。 桐乃「じゃあ、アンタ。何も分かってないの……?」 京介「自慢じゃないが、そうだ!」 ここぞとばかりに胸を張る俺。だって分かんないんだもん。 桐乃「(フルフル……)」 京介「エヘヘ。で、答えは何の日ー?」 桐乃「教えないわよ、このバカ~!!」 (ドゲシッ!!) 京介「どごぉ!」 脚色無しに、良い蹴り持ってやがると感じさせる一打が腹に入る。 (桐乃が、あやせたんレベル……だと!?) いつか天使から貰った激しいプレゼントを思い出しながら、俺は転がった。 そして俺はそのまま、妹の赤面キックの勢いで家を追い出された。 「イテテ、桐乃のヤツ、本気で蹴りやがって……」 DV相談所とかってあったよな?俺もそろろ、そこに電話するべきかもしれない。 コンビニに足を向けながら、暴れん坊妹の行く末を案じていた。というか、俺の未来も案じるね。 だってそうだろ?、今回の事だって、桐乃が勝手にカレンダーに書いて、それを俺が見て、というだけの話さ。 それなのに、俺が腹部に痛みを残すだけの結末とは、これ如何に。 兄とは、妹の気まぐれに翻弄されるだけの存在だというのかっ!? 腹をさすりながら、そんな事を考えていると 「……ん?」 携帯の画面に、先程の俺の疑問を晴らしてくれる答えが映し出された。 桐乃の気まぐれとはいえ、カレンダーに自分の日!と書かれていたのだから、何かあると思うのは人としての必定。 なので、部屋で携帯を触っていた時の履歴が残っていたので、そのまま「8月6日」が何の記念日かと調べていたのだ。 すると――、 「……コレか」 思いの外、早く答えは出てくれた。 World Wide Webの日、太陽熱発電の日……と色々あるが、俺とちょっとした繋がりがある日を見つけたので、自ずと答えは導かれた 。 それは、『ハムの日』。 8(ハ)と6(ム)で、ハムの日らしいが、これが高坂京介と何の関係があるのか。おそらく誰もが感じる疑問点だろう。 だが、ここには盲点をついた関連性があるのだっ! それは、少し前の話――。 桐乃「アンタ、コレ見なさい」 京介「?DVDか?」 桐乃「コレマジ名作だから。絶対見た方が良い、ていうか、見なきゃ許さない」 京介「あぁ、いつも通りなんですね……。って、コレ『ガソダム』シリーズじゃねぇか!」 桐乃「そっ」 ――『ガソダム』 それは説明が不要なほど、知名度が高い超名作アニメシリーズである。ヲタクは言うに及ばず、ノン気の皆さんも多少は知っている 位の人気作品だ。 桐乃「で、その中でも最新TVシリーズがこの『QQ』ってわけ」 京介「あぁ、確か『ダブルキュー』っていうんだよな」 桐乃「何?アンタ知ってるの?」 京介「沙織がさ、『ここ最近のガソダムシリーズの中では、会心の出来でござるっ!@ω@』って力説してたから、ちょっと調べた 時があってよ」 桐乃「ふ~ん。じゃあ、キャラももう分かってる?」 京介「いや、実際に本編までは見てないんだわ。だから全然分からん」 桐乃「!!じゃあ、このキャラ!このキャラに注目して観なさいっ!」 京介「わわっ、ち、近ぇーよ顔が!!……って、この金髪の男キャラか?」 桐乃「そ。名前はロリハムさんね。マジ神キャラだから!!」 京介「……注目しなさいよね、か」 そういって桐乃に全部見せられたっけな、『QQ』。 実際、ストーリーもよく構成されていて、桐乃のオススメ無しでもハマった作品だ。 壮大な話でありながら、キャラクタ―も掘り下げられている。人気があるのも納得だな。 ただ、ロリハムについてなんだが。 あのキャラは、いろんな意味で凄かったな……。 一見クールそうに登場してきたが、実は妙に熱い一面を持ってはいるんだよ。そしてそれは、こと「ロリキャラ」に対してのみ特別 強く表れるという、ね。 すっごい紳士さんだった。 赤いランドセルを背負った女の子を前に、「センチメンタリズムな運命」とか言っちゃうんだぜ? 現実世界なら完全にセクシャル・ハラスメントな運命だよ、それ。 しかし、それでも格好良く見えてしまうという不思議な魅力を持ったキャラだったな、ロリハムさん。 ああはなりたくないけど。 桐乃曰く、「これは演じている声優さんがマジパない!だからキャラが魅力的になった」との事だが、確かにそれは頷けた。 アニメを見ている時、何度も惹きこまれたのは、声優さんの実力があったからだと思う。 素人目の俺でもそう感じたくらいだ。目が肥えたファンからも支持を受けたのは、そういう裏付けがあるからだろうよ。 まぁ、そんなロリハムさんだが、実は俺と共通する点が一つだけあったのだ。 それは、「声」。 桐乃も沙織も黒猫も、「声だけは似てる」と太鼓判を押すほどに、俺の声はロリハムさん、ひいては演じている声優さんにそっくり だという。 確かに自分の声に似ているのは否定しないが、如何せん自分の声というものは自分ではよく聞こえないからな。いまいちピンと来な いんだよね。 それならマスケラのコスの方が似て……、一瞬そんな記憶が頭を過ぎったが、思い出すと泣いちゃいそうなので止めておく。 つまりは、俺とロリハムさんには「声」という共通項目があったりするのだ。 「ん~。しかし、それだけでハムの日=京介の日、ねぇ」 本題に意識を戻すが、答えが見つかったわりには、俺は消化不良な気持ちのままでいた。 おそらく、答えはこれで合っている。合っているはずだ。 でも、拭い切れないこの後味の悪さ。 考え方一つでどうとでもなるんだが、このスッキリしない感じは何とも言えず不愉快だ。 「……まぁ、どうせ沙織がガソダム好きとして、俺を推してくれたってところかな」 あの人の良い友人のことだ。俺と桐乃に、少しでも多く関連性を見つけようと気を遣ってくれたのかもしれないな。 ホント、いつも頭が下がるよアイツには。 「とりあえずそういう結論で、よしとするかっ!」 俺は携帯を閉じ、半ば無理矢理にモヤモヤを振り切った。 そしていつの間にか止まっていた足を、目的地のコンビニへ向けて少し速めに踏み出す。 理由はどうにせよ、今日が俺と桐乃の、そして「俺達の」記念日っていうんだから、嬉しくないわけがない。 俺達にしか分からない、俺達だけの『記念日』――。 それなら今日が特別で、「8月6日は京介の日!」と、言っちゃってもいいよな! 「へへ……」 そんな事を思ってみたら、俺は無意識に笑みを零していた。 ~翌日~ 桐乃「でさぁー、あのバカ、字だけでアタシって気付いちゃってぇ。マジキモいシスコンだよねぇ~(ニヤニヤ)」 あやせ「アハハッ、ホントだね~(お兄さん、またレベルが上がってるっ!?)」 加奈子「でもよ~。キリノってば何でそんなラクガキしたんだ~?」 桐乃「えっ!?……そ、それは……」 あやせ「確かにそうだね。桐乃、どうして?」 桐乃「あ、あの、それは……」 加奈子「ゼッテー何かあんだろ~?アヤシ~★」 桐乃「……!そ、そう、ハムの日だから!アイツ、ハム好きだし、とりあえず書いておこうって、思って……」 あやせ「 ● ● 」 桐乃「うっ!?……あ、あやせ?」 あやせ「桐乃……。本当は、なんで、書いたの?」 桐乃「う、う~!!そ、それは……///」 加奈子「あっ、コレだ~!!」 桐・あ「「えっ!?」」 加奈子「ハンサムの日、だってよ~!キリノマジブラコンじゃ~ん♪」 <携帯> 『8月6日=(ハ)ンサ(ム)の日』 あやせ「なん……だと……?」 加奈子「とかっつって~。無い無い無いっ!!いくらブラコンでも、これは無いって!な~、キリノ~?」 桐乃「………(プイッ!)」 加奈子「……あれ?マジ、だったの……?」 あ・加「「8.6うへぇ」」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1179.html
819 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/10/02(日) 21 14 21.49 ID EdF6tdNU0 [11/14] タイトル:『秋の祭典2011』に行こう その夜、俺は自分の部屋で受験勉強をしていた。ベッドには桐乃がうつ伏せで寝転がり携 帯を弄っている。最近、俺のベッドは桐乃に領空侵犯・・・いや完全に威力占領されてい る。 「ねぇ、あんたさ、明日暇だよね」 桐乃が突然そんなことを言い出す。 俺はシャーペンを置いて、桐乃のほうを向く。 「んっ?勉強はそこそこ順調だし、暇っちゃ暇だが・・・」 「そっか、そんじゃ明日はあたしに付き合いなさい」 「買い物か?」 「いやいや、そんなんじゃなくて、これ」 桐乃は弄っていた携帯の画面を俺に向ける。そこには・・・ 『雷撃文庫秋の祭典2011』 と、どでかく書かれていた。 「何だ、これは・・・・・」 「はぁ?マジ信じらんない。あんたが前好きなラノベがあるって言ってたじゃん。これは、 その出版社がやる公式イベント」 そういや、前にそんなこと言った覚えがあるな・・・・・ 「なるほど・・・てかラノベのイベントって、小説でどんなイベントやるんだ」 「んとね、これ見ると挿絵の展示とか作者のトークショーとか公式グッズの販売とかいろ いろ・・・・・」 「面白そうではあるな・・・それじゃ付き合ってやるか、場所はどこだ」 「アキバ・・・てか付き合ってあげるのは、あたし。そこんとこ間違いないでよね」 「おい、言い出したのはおまえだろ」 「うっさい、明日は朝から行くからちゃんと起きなさいよね」 そう言うと、桐乃は布団をかぶった。 「待て、そこで寝る気か。俺のベッドだぞ」 「あんたの寝る場所は空けといてあげる。シスコンのあんたはこんな可愛い妹と添い寝で きるんだから、感謝しなさいよね」 「おまえ、いつもそうやって・・・・・俺に襲われるかもとか考えないのかよ」 「変態、もし襲ったら、あんたは一生あたしの奴隷だかんね。それじゃおやすみ」 そう言い残すと、桐乃はそのまま寝てしまった。 翌朝、俺たちはアキバに行った。 「おい、何だこの人の数は・・・・・」 「はぁ?人気があるイベントなんだから当たり前でしょ。てかあんたがさっさと起きてれ ば、もっと早く来れたのに」 「おまえが俺に抱きついてなかなか起きないのが、そもそもの原因だろ」 「うっさいな、あたしたちも並ぶよ」 「どこに並ぶんだよ」 「まずは物販からに決まってるじゃない。急がないとなくなっちゃうよ。ちゃんと付いて 来なさいよね」 そう言うと桐乃はさっさと物販列に向かって歩き始める。俺はそのあとを追った。 『雷撃SHOP本店最後尾、100分待ち』 物販列の最後尾に着くと、そんな看板が立っていた。 「おい桐乃、どうすんだよこれ」 「別にいいじゃん。昔の人も『何故、列に並ぶのか。そこに欲しいものがあるから』って 言ってるじゃん」 「おまえ、それ絶対違うから・・・・・」 「いいから、あんたも並べ」 そうして俺と桐乃は列に並んだ。 「あーもう、いつまで並べばいいのよ」 「おい、おまえさっきなんて言った。てかまだ30分経ってないぞ」 「いちいちうっさいな、てか喉渇いた、あんたジュース買ってきなさい」 「へいへい・・・・・」 逆らうと何されるかわからないので、俺は素直に従った。 「これでいいか」 「へへっ、サンキュ~」 桐乃はジュースを受け取って飲んだ。 このまま大人しくしてくれればいいんだけどな・・・・・ しかし、20分くらいすると桐乃はそわそわし始める。 「おい、また飽きてきたのか」 「バカ、そんなんじゃない。ちょっと、あんたこれ持ってて」 と言って俺に荷物を渡す。 「どっか行くのか」 「いいから、すぐ戻ってくるから」 「あー、トイ・・・・・ぐふぉ」 俺の鳩尾に桐乃の拳がめり込む。 「変態、いちいちそんなこと口に出すな」 そう言い残して桐乃は列を離れた。 桐乃が戻ってきてから30分くらいすると、俺たちはやっと物販ブースに入ることができ た。中にはラノベのオフィシャルグッズが並んでいる。 「結構、いろいろあるんだな・・・・・」 「どれを買おうかな、迷っちゃうな」 桐乃は既に羊小屋に放された狼のような目をしている。そして手当たり次第にグッズを物 色する。 「おいおい、そんなに買って持って帰れるのかよ」 「何言ってんの、あんた。あんたが持つに決まってるじゃない」 「やっぱりそうきたか・・・・・」 俺はもう諦めた。というか達観した。 俺は桐乃から荷物を受け取ると、二人で外に出る。出口の脇では、トークショーが行われ ていた。 「あっ、くららちゃんがいる。ねぇねぇ、見ていこうよ」 「いいけど、立ち見になるぞ」 「別にいいよ、そんなの」 桐乃は俺の手を引いて立ち見席に行く・・・・・・・ 「んー、楽しかった」 「おまえは、こういうイベント来るとほんと周りと変わんないよな」 「いいじゃん別に、周りと一緒に楽しまないとソンだよ」 「はいはい、次はどうする」 桐乃は会場で渡されたパンフレットを眺める。 「うんとね、別の会場でラノベの挿絵とかの展示してるみたい」 「それじゃ、そっちを見てみるか」 そう言って、俺たちは別の会場の地下にある展示会場へ行った。 「ラノベだと小さい挿絵だが、このサイズで見ると結構迫力あるな」 「そうだね・・・」 俺は入り口近くにあった、黒いドレスに蝶の羽を纏ったヒロインのイラストを見ながらそ う言う。桐乃はその向かいにある一枚の絵をずっと眺めている。 それは、ウエディングドレスを着たヒロインが主人公にお姫様抱っこされているといった、 ちょっと恥ずかしい構図の絵であった。 「何だ、そんなに興味あるのか」 「えっ、いや少し憧れるというか・・・・・」 「お姫様抱っこされたいのか?」 「このシスコン、誰があんたなんかに・・・・」 「いや、俺がするって言ってないだろ」 「うっさい」 桐乃は少しむくれてしまった。会場を出てもずっとその調子である。 「おい、何怒ってるんだよ」 「しんない」 まったくこのお姫様は・・・・・ 俺は何とか桐乃の機嫌を直そうと考える。 ふと見ると、会場の入り口のところに会場特製おみくじをやっているのが見えた。 「桐乃、おみくじ奢ってやるから機嫌直せ」 「・・・キモ、そんなんであたしの機嫌とれると思わないでよね」 「いいから、一回やってみろよ」 「あんたがそこまで言うんだったら、一回やってあげる」 桐乃はそう言って、おみくじ売り場でおみくじを引いた。 「わー、アリスちゃんだ可愛い~」 「よかったな、で何て書いてあるんだ」 桐乃はおみくじに目を通している。 「・・・・・」 「どうした、何て書いてあった」 「秘密」 桐乃はそう言って、バッグにおみくじをしまう。しかしその顔からはさっきの不機嫌な様 子は消えていた。 俺は『何だ、機嫌直ったじゃないか』と言いたかったが、混ぜっかいしてもしょうがない ので言わなかった。 「一通り、見たけど後はどうする」 「ご飯食べて、アキバ見物しよう~」 桐乃の機嫌は、完全に直っていた。 「飯くらいは奢ってやるよ」 「あんたにしては、いいこと言うじゃん。しょうがない、この可愛いあたしがシスコンの あんたにエスコートされてあげる」 と言いながら、満面の笑みを浮かべて俺の腕に抱きついてきた。 完 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1155.html
266 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/09/26(月) 15 50 07.84 ID Dv+DbQFa0 [1/2] SS彼女が髪を黒く染めたら1-SIDE京介 時間軸設定は原作6巻辺りのイメージでお楽しみください。 3本立てとなっていますが、 彼女が髪を黒く染めたら1-SIDE京介 彼女が髪を黒く染めたら2-SIDE桐乃 彼女が髪を黒く染めたら3-SIDE??? の順に読まれると面白いかと思います。 「よっしゃあ! これでコンプしたぜ」 寝むい目を擦りつつ俺は小さくガッツポーズをあげた。時計を見ると今は深夜の3時過ぎを指している。 何とか間に合ってよかったぞ。桐乃に『今日中に終わらせる事。遅れたら死刑だかんね!』と言われてたからな。 俺がやっていたのは≪イメチェンした妹とお兄ちゃんが恋をしたら≫と言う正統派(らしい)エロゲだ。 妹がワガママで見た目も大嫌いと言う兄が、イメチェンした妹を見て恋に落ちるって設定なんだが 妹がイメチェンした位で恋愛関係になる兄妹がどこにいるっつーんだよ! 作った奴って絶対に妹いないだろ。 まあいい。とりあえず早くコイツを返して眠りたい。そっと部屋を出た俺は、隣に見える桐乃の部屋に向かった。 ドアを軽くノックし、ノブを捻って─って開いてやがる。 去年だと鍵が閉まってたんだがな、などと思いつつドアを開ける。 ──と、そこで俺はありえない存在をこの目で見た。 「きり…の、って。おわ!? あ、あやせ……さん?」 そこに立っていたのは黒いロングヘアを持つ少女だった。その少女は部屋の奥にあるベッドの方を見ている。 あ、あれってあやせだよ…な。つかなんで桐乃の部屋にいるんだよ!? じゃねえ! 桐乃はどこに? 俺の声に反応した少女はびくっと肩を震わせ、ゆっくりとこちらを振り向く。 「…へ? まさか桐乃、お前…か?」 振り向いた少女は、魅力的なマル顔を持ち前髪にヘアピンを付けた俺の妹。桐乃だった。 桐乃は、俺の顔を見るなり表情を引きつらせる。 「あ、ああああんた! なんであたしの部屋に来てんの!?」 「いや、ええと…ってなんで俺が慌ててんだよ! お前が今日までにエロゲコンプしとけつってたから さっきまでやってたんじゃねえか。んでついさっき終わったんで返しに来たんだよ。じゃねえ! 桐乃、お前その頭はなんだ? なんでその…黒い髪なんだよ」 黒い桐乃のロングヘアーを見ながら、ふと1年前の夢を思い出す。そう言えばあの時夢に出てきた 桐乃ってこんな髪だったっけな。しかも素直で兄思いだし、あれなら恋人になってもいいかもしれねえ ──と、俺は今何考えてた!? 妹と恋? まるでさっきやってたエロゲーじゃねえかよ! 「こ、これは違うっての! 今度やるモデルの仕事で使うから試してただけ」 「モデルの仕事でって、わざわざ髪染めさせるってのか?」 幾ら仕事つっても女子中学生の髪染めさせるとか無いだろ。一応これでも俺の妹だし、 その妹を玩具みたいに扱わせんのは俺だって許せねえぞ。 「大丈夫だって。数時間で落ちるやつだし。それに髪傷めたりしないから」 「そうなのか?」 「うん。そんなキケンなのだったらあたしだってオッケーしないってば。水で洗うとすぐ落ちるし」 「ならいいけどよ。俺の妹にヘンなもん使わせてるんじゃねえかと焦ったぞ」 ほっとする俺を見てニヤニヤしだす桐乃。 「へー。ふーん。あんたあたしの事がそんなに心配なんだ? チョー焦る位に」 このやろ…心配して損しちまったぜ。まあこれでこそ桐乃だよな。 「へっ! 心配なんてしてねーよ」 「はいはい。ま、あんたに心配なんてされてもキモいだけだし」 黒髪で偉そうな態度をみせる桐乃。髪の色が違うだけで中身は変わってねえな。 まあ当然って言えば当然か。だけど髪を染めるってどんな仕事なんだろうな。 「それで一体どんな仕事なんだ? 桐乃がわざわざ髪を染めるほどってよっぽどなんだろ?」 「え…ええっと…その」 そこで何故か言いよどむ。まさか人に言えない内容じゃないよ…な? 「えっと──そう! 黒髪の妹が実の兄と見つめあってるシーンが撮りたいんだって!」 「ぶはっ! ちょ、ちょっと待て! なんでそこで実の兄なんだ!」 まさしくさっきやってたエロゲでおんなじシーンあったんだよね! あれは1人で見てても 気まずいなんてレベルじゃなかったぞ!? 夕日を背に頬を染めて見つめあう兄妹─いやいやいや。 「そう言う設定なんだからしょうがないじゃん! あ、あたしだってキモすぎて止めてって感じだし。 でも、あんたがそう言うつもりならしょうがないかなって。あんたとんでもないシスコンだし」 「ちょっと待てい!? なんでそこで俺が入ってる! それってモデルの仕事じゃないのか?」 さすがに実の兄妹だぞ、自他共に認める美少女つっても一応は兄妹なんだぞ。 「そ、そう仕事の話! そう言うシチュの子撮りたいって話」 「そう言うシチュって…黒髪だったらあやせとかいるだろ。髪染めさせてまで、なんで桐乃なんだ?」 「あやせは一人っ子だから、そう言う表情出すのって難しいみたいでさ。だからあたしがやんの」 「そう言う事かよ」 一応は納得がいった。モデルってのは表情も重要らしいからな。 「そう言うワケだから、あんた彼氏やって」 「無茶言うな! 俺が兄貴だからつってもモデル経験なんてねーぞ!」 「違うっての。実際の仕事はあたしだけ、あんたは表情を作る手伝いしろって事」 「兄妹設定だってのに、1人で撮るのか?」 「当たり前じゃん。相手役なんていたらあたしが受ける訳ないっての」 「仕事じゃねえのか? なんで受けないんだよ」 「…うっさいバカ」 仕事って好き嫌いでやっていいのかよ。まあ俺はそういう業界知らないし、普段の我儘を知る身としては 桐乃の性格でも見た目さえよけりゃ問題ないんだろう、なんて想像してみる。 しかし眠いな。エロゲ返して帰るつもりだったが、さすがにそのまま帰してはくれないだろう。 仕方ねえ、桐乃が納得するまで手伝ってやるか。嫌いあってるとは言え、俺たちは兄妹なんだしな。 「んで、俺はどうすればいいんだ?」 素人の俺に頼むぐらいだし、横に座ってろとか簡単な内容なんだろう。 「あんた、あたしに愛をささやいてみて」 ぶほっ! 盛大に吹いた。 「ま、待て! さすがにそれはマズイだろ!? 俺たちは兄妹だぞ?」 桐乃が黒髪になってるせいか、俺は思わぬ想像を働かせてしまう。いつもと違って、その… 清楚なイメージがあるんだよな。なんて言うか別の意味で魅力的って言うかなんていうかとにかく可愛い。 「か、勘違いすんなっての! あんたの言葉であ、あたしが表情イメージしなきゃなんないの!」 ああ…そう言う事か。今日の俺はなんだかヤバイな。 「じゃ、じゃ行くぞ?」 「かかってこいっての!」 お前に襲いかかる訳じゃないからね。そんな事したら、高校卒業までにどこかの施設にお世話になっちまう。 「桐乃……お前が好きだ」 「ふぇ!? あ、ああああのそそその」 いきなり真っ赤な顔でうろたえ出す桐乃。つかこんなんで大丈夫かよ。 俺だってマジで死ぬほど恥ずかしいんだぜ。 「今のじゃ駄目か?」 「ま、まだなんか足りない」 ちっ。今のじゃ駄目なのかよ。ならこれで…。 「俺の瞳には、お前しか映ってないんだぜ?」 「…あんたそれ、今返してくれたエロゲのセリフまんまでしょ」 なぜばれた!? くそっ…桐乃の記憶力はエロゲのセリフをすべて暗記してやがったか──ならば!。 「桐乃…」 俺は桐乃を見つめながら、その両肩を軽く手で掴む。 「あ、あんた何を…」 少し不安げな表情を見せる桐乃。黒髪の清楚な雰囲気と、甘い花のような香りが俺を狂わせていく。 そう言えば、今日も香水つけてるんだな、などと考えつつ俺の中に浮かんだ言葉をそっと放つ。 「お前を……誰よりも愛している」 「……!?」ガタンッ! 桐乃の見せた表情は、今まで見た中でも最高に美しいと感じた。 やべえな。俺もなんだかおかしくなっちまったみたいだ。 俺の言葉を聞いた桐乃は、目を潤ませながらじっと俺を見つめて来る。 待ってくれ、そんな目で見つめられたら冗談じゃ済まないっての…。 「あ、あたしもあんたの事………し、てるから」 桐乃が何か言ったような気がするが、頭がぼーっとしていてうまく聞こえない。 ───だけど、きっとこれで大丈夫だよな。こんなに素敵な表情の桐乃を俺は今まで見た事がないから。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1163.html
740 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/28(水) 15 09 13.55 ID G6GxSwhm0 [4/5] ついでなんでもう1つ…短いのでそのままあげちゃいます キャラコメ風SS 『俺の妹が…』 京介「俺の名前は高坂京介だ。今日はキャラクターコメンタリー風にやってみようと思う。 ちなみにこの俺は原作15巻辺りから急きょ招集された京介。人呼んでウルトラ京介だ! つか本来担当するはずの原作12巻のスーパー京介が腹痛起こしちまったらしい。全く 一体どんな料理食わされたんだ…って、まあ俺は知ってるっちゃ知ってるんだけどな。 なんで今日はこのウルトラ京介さんに、ドーン!と任せてくれ」 桐乃「はいはい。て言うか何がウルトラ京介よ。このあたしに全く頭が上がんない癖して 偉そうにしちゃって。ま、あたしがいるお陰で原作15巻以上続いてるんだか感謝しなさいよ! あ、そうそう! あたしは高坂桐乃。超かわゆくて何させても完璧なこのバカ兄貴のよ…じゃない妹ね」 京介「おまっ…一体何言おうとした!? つかウルトラ京介が腹痛起こしたのはお前のせいだろ!」 桐乃「そんなの知らないしぃ。大体あんた、あたしがどの辺のあたしか分かって言ってんの?」 京介「そういやお前って原作何巻辺りの桐乃なんだ…? 雰囲気がなんか俺の知る桐乃じゃない気がする」 桐乃「ふっ…しょうがない。あんたが死ぬほど泣き叫んで『桐乃教えてくれ!』って言うから教えて…」 京介「言ってねーし泣き叫んでないからね! …だけどマジでお前っていつから来たの? 俺の知る桐乃とその…輪郭が違うっつーかその…いや」 桐乃「そこ見るなっ! だ、大体あたしも忙しいんだから。あんたのお陰でやること増えるし ……ただでさえ男…子…ヤンチ…面倒…大変…ブツブツ」 京介「おぉぉぉぉい!? なんかいまヤバイ単語聞こえた気がするんだが」 桐乃「キ・ノ・セ・イ! ってやば、お腹蹴られてるしっ! そろそろ一旦戻らないと」 京介「ままま待てぃ!? お腹? 蹴った? ちょ、ちょっと待てお前まさか…誰かと結婚したの…か?」 桐乃「ま、まぁね。そうだ、もう戻んないとダメだから仕方なく教えといてあげる。あたしはね… 原作20巻辺りから飛んできたんだよ」 京介「に、二十!? この話ってそんなに長く続いてるのかよ…じゃねえ! お前、一体誰と…?」 桐乃「内緒。……だけどね、実は原作13巻からタイトル変わるんだよ」 京介「な…マジかよ」 桐乃「そ。新しいタイトルはね───『俺の妹がこんな嫁な訳がない』」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1579.html
551 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/03(水) 13 44 22.59 ID J4TTTUWEP きりりんの京介の起こし方は妹婚してもやはり馬乗りなのだろうか? 「おはよ。京介」 「・・・おはよう桐乃。てかさ、いい加減この起こし方やめね?」 「なんで?」 「いや、なんつーか、こう、男は朝は色々大変でしてね?」 「ふーん・・・それって、これ?」グリグリ 「はう!?ちょ、やめろって!」 こんな感じで朝からいちゃいちゃしてればいいと思います 593 名前:551:2012/10/04(木) 00 14 22.87 ID lMvZfLwvP 551の続きとしてはこんなのを想像してたわけですがw 桐乃「うりうりw」グリグリ 京介「ひぃ!?だからへそをいじくるのはやめろ! 毎度毎度子供の頃みたいな悪戯しやがって!」 桐乃「へそ出したまま寝坊してるあんたが悪い。 せっかく作ったご飯が冷めちゃうでしょ!」コチョコチョ 京介「ひいいい!くすぐったい!悪かった!悪かったからやめてくれ!!腹がよじれる!」 桐乃「もう寝坊しない?」 京介「しないしない!」 桐乃「本当?」 京介「本当だって!」 桐乃「・・・しかたないなあ」スッ 京介「はー、はー、朝から余計な体力使っちまったぜ・・・(グッタリ) ・・・・・・あのぅ、桐乃さん?何でまだ降りてくれないので?」 桐乃「・・・ちゅー」 京介「は?」 桐乃「もう絶対に寝坊しないって誓いのちゅーしてくれたら、降りたげる」 京介「・・・しかたねえな。寝坊しちまった俺が悪いんだしな」 桐乃「そう。あんたが悪いんだから――」 京・桐(チュッ) 京介「――ほら、朝飯にしようぜ。俺腹減っちまった」 桐乃「だめ。もう一回」 京介「・・・・・・飯、冷めちまうぞ」 桐乃「もう冷めちゃったし。ちょっと遅くなったって一緒でしょ」 京介「・・・・・・それもそうか」 ・・・・・・もう一日中ちゅっちゅしてればいいんじゃないかなって書きながら思ってしまったw ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1302.html
656 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/01(木) 14 31 02.80 ID IyKCiWvd0 [1/3] 京介(今年のクリスマス、桐乃の予定はどうなってるんだろうな……) 京介「ん?あれは……」ヒョイ 京介(桐乃の予定帳? これを見れば……) 京介「あ、兄として妹がクリスマスにいかがわしい予定が入っていないか確認するのは当たり前のことだよな! というわけで……」ドキドキ ペラ 12/23 京介とのデートの準備 12/24 渋谷で京介とクリスマスデート! アクセサリーを買ってもらう 一緒にライブに行く 最後にラブホに行く 京介「桐乃…… よし、おまえがその気なら俺も覚悟を決めるぜ!」 パタン 京介「お~い、桐乃~!」 ・・・・・・ 桐乃(あれ? 去年の予定帳、どこかに落としたのかな? 去年の計画を見ながら今月の計画立てようと思ってたのに……) 桐乃「……今年のクリスマスも、少しだけでいいから京介と二人きりになれたらいいな」ボソ オーイ、キリノー 桐乃「なに~?」 桐乃(ずいぶん機嫌よさそうだけど、クリスマスデートのお誘いだったら嬉しいな!) -------------